赤毛のアン サンプル(第1章~第4章)

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赤毛のアン Anne of Green Gables (抜粋)


第1章 MRS RACHELL LYNDE IS SU

RPRIZED/レイチェル・リンド夫人、驚く

(CD 1)

She was sitting there one afternoon in early June.

彼女は6月の上旬のある午後、そこに座っていた。

(レイチェル夫人は自宅前を正装のマシューが馬車で通り過ぎるのを見た)

But Matthew so rarely went from home that it must be something pressing and unusual which was taking him;

しかしマシューは、めったに家から出ないので、何か緊急で普通でないことが彼に起こったから出かけたに違いない。

He was the shyest man alive and hated to have to go among strangers or to any place where he might have to talk.

彼は、一番の恥ずかしがりやで、知らない人の中に入ったり、話さなければならないような場所に行くのを嫌っていた。

”I’ll just step over to Green Gables after tea and find out from Marilla where he’s gone and why.”

「お茶の後グリーンゲイブルズに行ってみるわ。マリラから彼がどこへ何しに行ったのか、探り出さなきゃね。」

(さりげなくマリラに会いに行く)

” Good evening, Rachel, “Marilla said briskly.

「こんにちは、レイチェル。」マリラは元気よく言った。

“This is a real fine evening, isn’t it.? Won’t you sit down? How are all your folks?”

「いい夕方ね。おかけになって。みなさん、お元気かしら?」

”We are all pretty well .” said Mrs Rachel.

「私たちは、おかげさまで順調よ。」と、レイチェル夫人は言った。

“I was kind of afraid you weren’t, though, when I saw Matthew starting off today. I thought maybe he was going to the doctor’s.”

「今日マッシューが出発するのを見て、あなたたちが心配になってね。彼が、お医者様の所へ行ったのかと思ったの。」

“Matthew went to Bright River. We’re getting a little boy from an orphan asylum in Nova Scotia, and he’s coming on the train tonight.

マシューはブライト・リバーに行ったの。私たち、ノヴァ・スコティアの孤児院から、男の子をもらうの。その子が汽車で来ることになってるの。」

“If Marilla had said that Matthew had gone to Bright River to meet a kangaroo from Australia

Mrs Rachel could not have been more astonished.

マシューはオーストラリアから来たカンガルーに会うためにブライト・リバーに向かった、とマリラが言ったとしても、彼女はこれほどまではびっくりしなかっただろう。

She was actually stricken dumb for five seconds.

彼女は、実際、驚きのあまり、5秒間、口がきけなかった。

” Are you in earnest, Marilla?”

「マリラ、気は確かかい?」

”Yes, of course.”

「ええ、もちろん。」ーー

ーーー

(マリラとマシューは、知り合いが女の子を孤児院から引き取った話を聞いた。)

So Matthew and I have talked it over off and on ever since.

それで、マシューと私はその時以来時々、話し合ったんだよ。

We thought we’d get a boy.

男の子をもらう事にしたんだ。

(レイチェル夫人は、不幸な結末だった例として、引き取った男の子が、雇い主をうらんで殺した話や、女の子が家に火を付けた事を言うが、マリラは、うちが引き取るのは男の子だし、とか言ってはぐらかし、聞く耳をもたない。共に未婚のマシューとマリラ兄妹は、高齢のため、農場経営が負担となり、どうしても人手が必要だった。)

Mrs Rachel would have liked to stay until Matthew came home with the imported orphan .

レイチェル夫人はマシューが引き取った男の孤児と帰宅するまでそこにとどまっていたかった。

But reflecting that it would be a good two hours at least before his arrival she concluded to go up the road to Robert Bell’s and tell them the news.

しかし、彼が着くまで少なくとも2時間はたっぷりかかることを考え、彼女はロバート・ベルの所へ行って、彼らにこのニュースを話すことに決めた。

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pressing 緊急の shy 恥ずかしがる hate嫌う briskly元気よく

folks人々 orphan孤児 orphan asylum孤児院 astonish驚かせる

was stricken dumb驚いて言葉を失う import輸入する、引き取る

reflectよく考える conclude決心する

 

 

第2章 MATTHEW CUTHBERT IS SURPRIZED/マシュー・カスバート、驚く

(駅で待っていたのは、男の子で、駅員に聞いても、男の子は汽車から降りてない、と言う。)

“I’m sorry I was late,” he said shyly.

「おくれてすまなかったね。」彼は恥ずかしそうに言った。

“Come along. The horse is over there.

「一緒に行こう。馬は向こうにいる。

Give me your bag.”

君のバッグを私によこしなさい。」

Oh, I can carry it、

あの、自分で運びます。

The child responded cheerfully.

その子は元気よく返事した。

“It isn’t heavy.”

「これは重くないの。」

——–

”We’ve got to drive a long piece, haven’t we?——-

「わたしたち長い距離を乗っていかなきゃならないのよね。そうでしょ。

I’m glad because I love driving.”

私、ドライブは好きだからうれしいわ。」

“Oh, it seems so wonderful that I’m going to live with you and belong to you.

「ああ、私があなたたちと一緒に住んで、家族の一員になるってとっても素敵だと思うわ。

I’ve never belong to anybodyーnot really.

誰かと一緒って、実際にはいままでなかったの。

ーーーーー(アン、孤児院での状況をマシューに話す)

But there is so little scope for the imagination in an asylum―only just for the other orphans.

孤児院ではほとんど想像がふくらまないの。唯一、ほかの孤児についてだけね。

It was pretty interesting to imagine things about themー

彼らについて想像をめぐらせるのはとっても楽しかったわ。

to imagine that perhaps the girl who sat next to you was really the daughter of a belted earl,

あなたの隣に座っていた女の子はたぶん伯爵の娘で

who had been stolen away from her parents in her infancy by a cruel nurse who died before she could confess.

両親から子供の時に意地の悪い子守によって盗まれてその子守はそれを告白する前に死んでしまったとか。

I used to lie awake at nights and imagine things like that, because I didn’t have time in the day.

私は夜に横になったまま寝ないでそういうことをよく想像したの。昼は時間がなかったから。

I guess that’s why I’m so thin-I’m dreadfully thin, ain’t I? There isn’t a pick on my bones.

だからこんなにやせっぽちなんじゃないかって思うの。おそろしく細いでしょ、違う?

骨の上につまめる皮がないの。

I do love to imagine I’m nice and plump, with dimples on my elbows.”

私、美人でひじにえくぼができるふくよかな自分を想像するのがとっても好きなの。」

・・・・・

“I guess you are feeling pretty tired and hungry.”—–

「疲れておなかもすいたんじゃないかい。」

”But we haven’t very far to go to nowーonly another mile.”——

「だけど私たち、まだそんなに来てない、1マイルだけ。」

”Oh, Mr Cuthbert,” she whispered, “that place we came throughーthat white placeーwhat was it?”

「あの、カスバートさん」彼女はささやいた。「私たちが通ってきたあの白い場所は、何ていうの。」

“Well now, you must mean the Avenue,” said Matthew after a few moments’ profound reflection.

「ああ、君はあの並木道の事を言ってるんだろうね。」マシューは、しばらく良く考えてからそう言った。

“It is a kind of pretty place.”

「まあまあ、きれいな所だよね。」

”Pretty? Oh, pretty doesn’t seem to be the right word to use.”

「きれい?きれいという言葉は使うのは正しくないと思うわ。

“Nor beautiful either. They don’t go far enough.”

美しいでもだめ。どっちも不十分だわ。」

“Oh, it was wonderfulーwonderful.”

「そう、とっても素敵、素敵だった。」

(アンはマシューに想像すら及ばないほど素敵だったと主張する)

“They should call itーlet me seeーthe White Way of Delight .”

「みんな、そうね、こう呼べばいいわ、歓喜の白い道。」ーーー

(やがて水辺の景色が見えてきた)

“That’s Barry’s pond,” said Matthew.

「あれは、バリー池だ。」とマシューが言った。

“Oh, I don’t like the name, either.

「ああ、私、その名前も好きじゃないわ。」

“I shall call itーlet me seeーthe Lake of shining Waters. Yes, that is the right name for it.”

「私だったら、そうね、光輝く湖って呼ぶわ。そう、あれにぴったりの名前だわ。」

・・・

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shyly:はずかしそうに carry:運ぶ respond:返事する cheerfully:元気よく

a long piece:長い距離 belong to:~に属する asylum:孤児院

orphan:孤児 belted earl:伯爵 infancy:子供時代 cruel:残酷な

nurse:保母、看護婦 confess:白状する、打ち明ける pick:ひとつまみ

plump:ふくよかな dimple:くぼみ、えくぼ whisper: ささやく mean:意味する reflection:考慮、反射 seem:思う delight:歓喜

water:水、(陸、空に対して)海、湖、川など

 

 

第3章 MARILLA CUTHBERT IS SURPRIZED/マリラ・カスバート、驚く

“Matthew Cuthbert, who is that?”

「マシュー・カスバート、これは誰なの。」

“Where is the boy?”

「男の子はどこにいるの。」

“There wasn’t any boy.”

「男の子はいなかったんだ。」

“There was only her.”

「彼女しかいなかったんだ。」

“No boy! But there must have been a boy,”

「男の子がいなかった。だけど男の子がいたはずだったんでしょ。」

“We sent word to Mrs Spencer to bring a boy.”

「わたしたちはスペンサー夫人に男の子を連れてくるように手紙で送ったのよ。」

“Well she didn’t. She brought her. I asked the station master.

「スペンサー夫人はそうしなかったんだよ。この子を連れて来たんだ。駅長にもたずねたよ。

And I had to bring her home.”

この子を家に連れて来るしかなかったんだ。」

・・・・

During the dialogue the child had remained silent.

会話の間中その子は黙っていた。

・・・・

“You don’t want me!”

「あなたたち、私がいらないのね」。

・・・・・

“Nobody ever did want me.

「今まで誰も私を欲しがらなかった。」

I might have known it was all too beautiful to last.”—-

「すべてが美しすぎて、こんなのがずっとつづくわけないってことに気づかなきゃいけなかったんだわ。」

“I’m going to burst into tears!”

「私、泣いちゃう。」

Burst into tears she did.

彼女は本当に泣きだした。—

Neither of them knew what to say or do.

二人とも、なんて言ったらいいか、どうしたらいいかわからなかった。—

ーーーーーー

”Well, don’t cry anymore ,”——

「さあ、さあ、もう泣くのはおやめ。」

ーーー

“What’s your name ? ”

「名前はなんていうの。」

The child hesitated for a moment.

その子はしばらくためらっていた。

“Will you please call me Cordelia? ” she said eagerly.

「コーディリアって呼んでくれますか。」彼女は熱心に言った。

” Call you Cordelia! Is that your name ? ”

「コーデリアって呼んでだって。それがあんたの名前なのかい。」

” No-o-o, it’s not exactly my name, but I would love to be called Cordelia.

「いいえ、本当はちがうの。だけど、そう呼ばれたいの。

It’s such a perfectly elegant name.”

とっても優雅な名前だから。

” I don’t know what on earth you mean. If Cordelia isn’t your name, what is it? ”

「いったい何のことだかさっぱりわからないよ。もし、コーデリアがあんたの名前じゃないなら、本当の名前は。」

” Anne Sherly,” —

「アン・シャーリー」

ーーーーーー

“Matthew Cuthbert, you don’t mean to say you think we ought to keep her!”

「マシュー・カスバート、私たちが彼女をここに置いておくべきだって思ってるわけじゃないわよね。」

ーーー

“I should say not. What good would she be to us?”

「あの子を置いておいてもしょうがない。私たちにとって何も役に立つことはないわよね。」

“We might be some good to her,” said Matthew suddenly and unexpectedly.

「私らがあの子にとって役に立つかもしれない。」マシューは突然予期しないことを言った。

“Matthew Cuthbert, I believe that child has bewitched you! I can see as plain as plain that you want to keep her.”

「マシュー・カスバート、あの子があんたに魔法をかけたんだね。あの子を置いておきたいと思ってるってわかったよ。」

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station master:駅長 remain:そのままでいる burst into tears:泣き出す

eagerly:熱心に perfectly:完全に elegant:優雅な

mean to:~するつもりである

 

 

第4章 MORNING AT GREEN GABLES /グリーンゲイブルズの朝

For a moment she could not remember where she was.

しばらくの間彼女は自分がどこにいるか思い出せなかった。

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— “And I can hear the brook laughing all the way up here.

そして小川が笑っているのがここまで聞こえてくるの。

Have you ever noticed what cheerful things brooks are?

いままでに小川って陽気な物だって気が付いたことがあるかしら。

They are always laughing .

彼らはいつも笑ってるの。

Even in winter time I’ve heard them under the ice.

冬の間でさえ氷の下の小川を聞いたことがあるの。

I’m so glad there’s a brook near Green Gables. .

私、グリーンゲイブルズのそばに小川があることがうれしいの。

Perhaps you think it doesn’t make any difference to me when you’re not going to keep me, but it does.

私をここに置いておけないなら、そんなことは私にとって大した違いがないって、たぶん思うでしょうけど、そうじゃないの。

I shall always like to remember that there is a brook at Green Gables even if I never see it again.

二度と小川を見ることがなかったとしても、私はいつもグリーンゲイブルズに小川があったことを楽しく思い出すの。----

ーーー(朝食)----

“There is no use in loving things if you have to be torn from them, is there? And it’s so hard to keep from loving things, isn’t it? That was why I was so glad when I thought I was going to live here. I thought I’d have so many things to love and nothing to hinder me.”

「 もしグリーンゲイブルズのいろいろなものとお別れにさせられるなら、そういうものを愛することは意味がない。そうよね?物を愛することをやめるのはつらいわ、そうでしょ?だから、ここに住むと思った時、うれしかったの。たくさんの好きなものがあって、だれも私がそれを愛することをじゃまできない、と思ったの。」

ーーー

“She is kind of interesting as Matthew says.

「マシューが言うようにあの子はちょっと面白いよ。

I can feel already that I’m wondering what on earth she’ll say next. She’ll be casting a spell over me , too.

わたし自身、あの子が次にいったい何をいいだすのか楽しみにしてるってことをもう感じてる。私にも魔法をかけようとしてるんだね。

She’s cast it over Matthew.—–”

すでにマシューには魔法をかけたけど。」

(マシューにとってはやや不本意だったが、マリラはアンを引き取ってもらうために二人で馬車で出発し、それをマシューは何か言いたげに見送る)

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brook:小川 notice:気づく no use:役にたたない、無駄 tear from~:~から引き裂く

hinder:妨げる kind of:ちょっと on earth:いったい cast a spell:魔法をかける